アルコール消毒液の品薄は続いていますが、
最近は、ドラッグストアやネットでちょくちょく見かける機会も増えてきました。
しかし、これまでの大手の商品だけでなく、
これどこが作ってるの?
っていうものがけっこう多いですよね。
でもやっぱりアルコール消毒液は欲しい。
そんな時は、アルコール(エタノール)の濃度を確認することが大切です。
最適な濃度はどれくらいか?
各商品の濃度は?
このあたりをまとめてみます。
濃度と殺菌効果
濃度については、諸説ありそうですが、
どこを見ていても、
一つの基準として「70%」というのがありそうです。
70%あるとウイルス対策として効果が高いということですね。
じゃあ、それより低いと効果が無いのか?
という疑問が湧いてきますが、
どうやらそうではないようです。
花王さんのレポートによると、
エタノールの殺菌効果は40%あたりから急激に現れ70%で最大の効果を示します。
出所)https://www.kao.co.jp/pro/hospital/pdf/08/08_05.pdf
とのことなので、
40%以上あれば一定の効果はありそうです。
但し、濃度によって殺菌のメカニズムが異なり、
結果として、ウイルスの死滅時間が変わってくるそうなので、
低めの濃度の消毒液を使う場合は注意が必要です。
それから、あまり売ってはいませんが、
濃度が高ければいいのか?
というとそういうわけでもないようです。
例えば90%とかの消毒液があったら、
それは殺菌効果が高いのかと言うと、必ずしもそうではないそうです。
揮発性が高くなるため、
手になじませる前に濃度が下がってしまうことなどが理由のようです。
また、あまりに濃度が高いと手荒れも心配です。
手が荒れてしまうと逆効果になりますので、
肌が弱い方は、保湿剤入りのものを選んだり、
濃度が高すぎないものを選ぶのが良いかと思います。
では、消毒剤別にアルコール濃度をまとめてます。
商品本体に記載があればいいのですが、
無いものもけっこうあるので、
HPやコメント欄などから分かった数値を書きます。
掲載順は、基本的にアルコール濃度の高い順です。
アルコール濃度80%以上
1. プレヴェーユ 薬用ハンドジェル
プレヴェーユの薬用ハンドジェルです。
アルコール濃度83vol%と、なかなか見ない高濃度です。
据え置きで使うには、
少し量が少なめかなと感じますが、
高濃度かつ日本製というところに安心感があります。
指定医薬部外品というのも安心ですね。
湿潤剤にアラントインを配合とのことで、
高濃度でありながら、肌にも優しい商品です。
製造販売元はコスモビューティーです。
消毒液のOEM製品を作っている会社ですね。
消毒液のブランドは違っていても、
製造販売元を見ると、コスモビューティーということも多いです。
例えば、薬用ミューズ 消毒ハンドジェルもそうですね。
プレヴェーユの原材料を見てみると、
- 成分:100mL中 日局エタノール83mL含有
- 添加物:カルボキシビニルポリマー、アラントイン、DL-アラニン、トリエタノールアミン、精製水、香料
となっていますが、
実は、上記の赤字部分(精製水、香料)以外は、
薬用ミューズ 消毒ハンドジェルと同じ構成です。
(「ミューズ+(精製水、香料)」というイメージ)
しかも、ミューズはベトナム製なのに対して、
こちらは日本製ですので、
ブランド名は違えど、安心して使える商品かと思います。
同じブランドで大容量タイプもあります。
アルコール濃度79.7%で、指定医薬部外品です。
こちらはベトナム製ですが、
さらっとしているのに手も荒れなかったと評判は良さそうです。
2. 健栄製薬 手ピカジェル
誰もが知っている手ピカジェルですね。
指定医薬部外品です。
安心感はトップクラスですが、
店頭で見かけることはほぼ無くなってしまいました。
ネットでも在庫切れ状態です。
こちらは76.9~81.4vol%です。
トップシェアな商品なだけあって高濃度ですね。
『手ピカジェル プラス』という商品もあります。
こちらもアルコール濃度は76.9~81.4vol%ですが、
リン酸を加えてエタノールのpHを弱酸性にし、
一般的なアルコール消毒液では効果のない、
ノロウイルスなどにも対応させているそうです。
通常ノロウイルスなどのノンエンベロープウイルスは
次亜塩素酸ナトリウムで消毒しますが、こちらは手指に使うことができません。
手指用のアルコール消毒液で、
ノンエンベロープウイルスに効果が期待できる商品は
非常に少なく、私が最も好きな消毒液の一つです。
スプレータイプもあります。
こちらもアルコール濃度は同じ76.9~81.4vol%です。
パッケージが青にピンクな感じで、
通常の手ピカジェルのスプレー版かなと思いますが、
成分的には手ピカジェルプラスと同じです。
(手ピカジェルプラスには、さらにヒドロキシプロピルセルロースが加えられています)
3. サラヤ ハンドラボ 手指消毒 ハンドジェル VS
サラヤのハンドラボシリーズより、
手指消毒アルコールのハンドジェルVSです。
アルコール濃度76.9~81.4vol%で、指定医薬部外品です。
日本製で、サラヤブランドの安心感があります。
リン酸でpHを酸性にして、
有効成分(エタノール)の効果を高めることで、
ノロウイルス等のノンエンベロープウイルスにも効果が期待できます。
こちらの商品がユニークなのは、
ラベルを剥がすとシンプルでおしゃれなボトルになることですね。
玄関やリビングの雰囲気を壊さなくていい感じです。
携帯用もあります。
スプレータイプもあります。
ジェルタイプだと手がべたついて嫌だなと言う人におすすめです。
4. ニイタカ 手指消毒用アルコール・Nスター
主に業務用消毒剤を作っている
ニイタカの手指消毒用アルコール Nスターです。
アルコール濃度76.9~81.4vol%で、指定医薬部外品です。
一時期は買えたのですが、現在は在庫切れ状態です。
ニイタカ独自の技術で、
ウイルスから汚れを剥ぎ取ることで、
効果的にウイルスを除去することが期待できます。
また、通常アルコール消毒液が効きにくい
ノンエンベロープウイルスにも対応している数少ない消毒液です。
こちらは、業務用ということで量が多いですが、
もう少し使いやすいサイズの商品もあります。
それがこちらのサニットケアです。
量が少なくなっているだけで、
中身は同じものですので、
アルコール濃度も同じ76.9~81.4vol%で、指定医薬部外品です。
アルコール濃度70%以上
5. CLEAN UP HAND アルコール ハンドジェル、スプレー
韓国製のハンドジェルとスプレーです。
スプレーはアルコール濃度75%。
ハンドジェルはアルコール濃度70%です。
保湿成分が配合されており、
アルコール濃度は高くて、手にも優しいのが嬉しいです。
ハンドジェルは手指だけですが、
スプレータイプもあると、
身の回りのものの消毒にも使えて便利ですね。
6. ON:MOME ハンドジェル
こちらも韓国製のハンドジェルです。
アルコール濃度70%とやはり高いですね。
Amazonのレビュー評価も高く、
アルコール濃度70%のテスト証明書も付いていて、
安心して使える商品だと思います。
アルコール濃度60%以上
7. Vi&Da アルコールジェル
Vi&Daのアルコールジェルです。
アルコール濃度69%です。
安心の日本製です。
- 主な除菌成分:エタノール、銀イオン
- 主な保湿成分:ヒアルロン酸Na、アロエべラ葉、モモ葉
- 主な香り成分:レモン果皮油、ラベンダー油、ユーカリ葉油
となっており、
除菌力に加えて、肌への優しさと、
アロマ的な香りが楽しめる商品です。
(香りについては好みがあると思います)
アルコール濃度50%以上
8. アルボナース
会社などによく置かれているアルボナース。
アルコール濃度は59%ですが、
主成分はベンザルコニウム塩化物です。
こちらもネットでは価格が高騰していますね。
保湿剤も配合されており、手にも優しいのが嬉しいです。
指定医薬部外品の安心感もあります。
5/22(金)に、経済産業省から、
以下の界面活性剤が新型コロナウイルスの除去に有効と発表がありました。
- 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)
- アルキルグリコシド(0.1%以上)
- アルキルアミンオキシド(0.05%以上)
- 塩化ベンザルコニウム(0.05%以上)
- ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上)
ベンザルコニウム塩化物(塩化ベンザルコニウム)が入っていますね。
早く適正価格で手に入るようになって欲しいですが、
会社等で見かけたら、しっかり使っておきましょう。
9. 東亜産業 TOAMIT ハンドジェル 500ml
安心の日本製ハンドジェルで、
アルコール濃度は56~59%です。
最近ではスーパー等でも山積みになっていますね。
手に入れやすく、大容量なのがメリットです。
ちなみに、中国製のものもあるのでご注意下さい。
ボトル表面の黄色い長方形の数で見分けが可能で、
2個のものが中国製、3個のものが日本製です。
下が中国製ですが、アルコール濃度は同じく56~59%です。
10. 花王 ビオレu 手指の消毒液
非常に有名なビオレu 手指の消毒液です。
指定医薬部外品です。
有効成分はベンザルコニウム塩化物(0.05w/v%)です。
エタノールは添加物として配合されており、
アルコール濃度は55.5%です。
手にも優しく安心感が高いですね。
最近では、北里大学の調査で用いられ、
適切に使うことで
新型コロナウイルスの感染力を失わせる効果がある
という報告がありました。
市販の洗剤にウイルス不活化効果 エタノール、界面活性剤含有で確認 - 毎日新聞
今後、他の商品でも検証を進めていくそうなので、
結果に期待したいですね。
11. 武内製薬 アルコールハンドジェル
日本製ハンドジェルです。
アルコール濃度50%とあまり高くはありませんが、
オーガニック成分の「チャ葉エキス」も配合されており、
手に優しいというのがいいところだと思います。
また、ベンザルコニウムクロリドも配合されています。
こちらは化粧品用の成分表示名称で、
医薬部外品であれば、塩化ベンザルコニウムです。
医薬部外品のような効果は期待できませんが、
殺菌剤が含まれているという点で安心感があります。
アルコール濃度40%以上
12. BY ROLAND 薬用ハンドジェル
こちらも安心の日本製です。
指定医薬部外品の安心感もあります。
有効成分は塩化ベンザルコニウムで、
エタノールは添加物として含まれ、
アルコール濃度としては40%以上60%未満とのことです。
(48%というコメントも見つけました)
私も近所のドラッグストアで購入しました。
手全体に優しく広がり、ハンドクリームを塗ってるような使用感です。
ちょっと怪しいかも??
PU:RECIPE プレミアムハンドジェル
Amazonで一時期ベストセラーになっていたハンドジェルです。
韓国製のハンドジェルですが、
アルコール濃度70%と言われています。
なんですが、ちょっと怪しい臭いがしますね。
(真偽のほどは分かりませんが)
レビューで引火しないというコメントがあったりします。
同じ洋光が製造販売元の商品で、
パッケージデザインがとても似ている、
SKCARAを冠したプレミアムハンドジェルもあります。
SKCARAは韓国の会社名だそうですが、
成分を見る感じだと、PU:RECIPE(レシピ)と全く同じです。
しかし、SKCARAの方には、
韓国検査機関KOTITIの試験結果による成分表があり、
エタノール70%になっていますが、
PU:RECIPEにはそれが付いていません。
また、
アルコール濃度が60wt%(約67vol%)を超えると、
消防法により「火気厳禁」の表示が必須ですが、
PU:RECIPEにはやはり記載がありません。
SKCARAも「火気厳禁」ではなく
「火気注意」という文言なのは引っ掛かります。
「火気注意」は
アルコール濃度が60wt%未満だけど、
エタノールが含まれるので注意してね
という業界ルールだと思うので、
SKCARAも本当に70%?という感じがします。
どちらもドラッグストア等で大量に売られているので、
確かなものと信じたいですが、
パッケージにアルコール度数の記載が無かったり、
「火気厳禁」の記載が無かったり、
ちょっとどうなのかな~という商品だなと思います。
まとめ
様々なアルコール消毒液をご紹介しました。
名前を聞いたことがあるものならいいですが、
よくわからないものに出会ったら、
まずはアルコール濃度を調べてみると良いと思います。
一つの基準としては70%ですが、
40%以上あれば、ある程度の殺菌効果は期待できるようです。
また、ちょっとアルコール濃度が低めだなと思っても、
実は主成分はベンザルコニウム塩化物ということもあります。
このような商品の場合、比較的安価でありながら、
エタノールとの合わせ技で高い殺菌力が期待できるので、
アルコール濃度を見た後に、有効成分を確認することも大切だと思います。
アルコール消毒液の品薄で、
次亜塩素酸水にも注目が集まっています。
こちらもいろいろな商品が乱立していますので、
選び方とおすすめ商品をご紹介しています。