買い物をする時に、
その値段が妥当なのかどうか気になりますよね。
値段を判断する際には、
提供者側がどのようにプライシングしているかを
考えることが、有効な可能性があります。
賢い消費者になるべく、提供者視点を考えてみます。
プライシングの方法
プライシングの方法は、
大きくは、
- コストベース
- 価値ベース
の2種類かと思います。
どちらか一方で決めるというよりは、
両方で検討して、妥当なラインを検討すると思います。
コストベース
まずコストベースです。
例えば、料理を作るためには材料を買いますよね。
お肉とか野菜とか。
この材料費が、その料理を作る際の原価になります。
それから、材料を買ってきただけでは料理はできません。
料理を作る人の人件費も原価に入ってきますよね。
このように、
その物を作るのに原価がいくらになるかをベースにします。
そこに、いくらの利益を乗せようかと検討して、
実際の売価を決めるのが、コストベースの考え方です。
上記の例で言えば、
- 材料費:300円
- 人件費:500円
- 利益率:20%
と仮定すると、
- 原価=300 + 500 = 800円
- 売価=800 ÷ (1-0.2) = 1,000円
となります。
価値ベース
もつ一つの方法が、価値ベースです。
こちらは、売る商品やサービスに対して、
お客様はいくらまでなら出してくれるかをベースにします。
ここは想像力が必要になってきますが、
例えば、
お店のランチ定食が1,000円だったとすると、
自分でお弁当を作っていけば、もっと節約できると思います。
しかし、
- お弁当を作る時間
- 同僚とランチで話す時間
等に、価値を感じているから、
1,000円のランチを食べに行ったりするわけですね。
これが3,000円とかだったりすると、
さすがに自分でお弁当を作るようになるかもしれません。
また、競合はいくらくらいで売っているのかも
重要な検討材料になってきます。
同じようなランチ定食を他のお店が1,000円で提供していた場合、
2,000円では売らないですよね。
相当な差別化要素が無い限り、お客様は来てくれないと思います。
割高な買い物の代表例
プライシングの方法をベースに考えると、
割高な買い物の代表例と言われる
「新築マンション」の構造も見えてきます。
話を簡単にしますが、
通常は、マンションの建設費が原価ですね。
それを戸数で割ったものが、各戸の原価になります。
これに利益を乗せた額が販売価格であればいいのですが、
実際には、
- 販売員の営業コスト
- チラシなどの販管費
- モデルルームの建設費
等を全て原価に含めた上で、利益を乗せて価格を設定しています。
企業としてはこれらを含めないと採算が取れませんから当然ですね。
しかし、このコストって、
自分が購入するマンションに対しては、何の意味もないですよね。
企業側のコストを、購入者が負担させられているわけです。
それでも新築マンションが売れるのは、
購入者側が『新築』に価値を感じているからです。
なので、コストベースで最低ラインを決めつつ、
価値ベースでいくらまでなら払ってくれるかを検討して、
売れるギリギリのラインで販売価格を高く設定しているわけです。
提供者視点を持つと、買うべきものが見えてくる
提供者側がどのようにプライシングをしているかを知ると、
企業が上乗せしている部分まで含めても買う価値を感じるか
という考えを基準にして、購入を検討できるようになります。
これもよく言われることですが、
金融の営業マンが紹介してくる商品も、
結局は自分のたちが嬉しい、手数料が高い商品です。
利益の上がらない商品はまず勧めてきません。
販売ノルマもあるでしょうし、
利益が高いものを売った方が評価されるので、
利益が高いものを売った方が評価されるので、
販売する側からすれば、当然の行動原理だと思います。
ただ、購入者側が
自分のために親身になって考えてくれた
と考えてしまうのは、ちょっと悲しいですよね。
提供者の考えを理解した上で、賢く商品を選択したいところです。
まとめ
何かを買う時には、
その値段がどのように決められたかを考えると
買うべきかどうかを判断できるようになると思います。
偉そうに書いてしまいましたが、私もまだまだ勉強中です。
なかなかその業界にいないと分からないことも多いですが、
どんなコストがかかっているんだろうと想像するだけでも、
これまでとは違った見方ができるように感じています。
賢い消費者になって、お金を大切に使っていきましょう。